btk

 雑貨屋さんで、歯を入れる箱を見せてもらう。
 出産祝いの品の一つで、小さな桐箱に引き出しがついてて、その引き出しに歯を入れる。引き出しは昆虫標本箱のようなガラス張りになっている。ガラスの内側の桐には楕円状に歯の数の穴が並んでて、その穴のひとつひとつに抜けた乳歯を収める。
 売ってる状態では(当然)穴はからで、白い桐に整然とあいた穴が美し。ここに根っこに血のこびりついたような小さな歯がずらっと並ぶところを想像する。それは成長の記録というよりも後ろめたい蒐集のように見える(のではないかな)。