表紙でその本を判断するのさ
本の感想など。
・小川洋子「まぶた」
短編集。この著者がよく使うモチーフが今回も登場。博物館、プール、匂い。穏やかで丁寧で残酷。
・舞城王太郎「smoke,soil or sacrifices 煙か土か食い物」
ジャケ買いというかタイトル買い(借りたけど)。 F1マシンに搭載されたカメラで世界を見てるようなハイスピードの文体にぐいぐい引っ張られてく音速ジェットコースター・ノベル。登場人物たちも素敵に屈折している。横列の文字の表紙デザインもクールです。「バトル・ロワイヤル」の表紙のへヴィー・メタルさも好きでした。
・村上春樹「THE SCRAPS」
’87年に出版された80年代の新聞記事のトピックを扱ったエッセイ集。私は村上春樹の文章ならば何について書かれていてもいいのだ。読みたいのはその文体。精神安定作用があるその文体を切実に欲するときがある。